話
自分が齢を重ね死に近づいたときに、思い出を話すのなら何を話すのだろう。
お年寄りと話していると、好んで繰り返す話があることに気が付きます。
おそらく、本人が若々しく輝いていた過去、自慢したい、誇りに思っている事柄。
何度も繰り返したため一字一句内容は変わらないのだけれど、今初めて話したかの様に新鮮に語りだすのです。
周りで聞いている人たちの合いの手も一緒。
話していると気持ちもよくなり、乗っているのだというのも感じられます。
話す内容はポジティブなこととは限りません。
不幸な話、悪口雑言もまた、本人が訴えたい、話したい内容なのです。
聞いている方としては、やはりつらい時もあります。
そうはなりたくないと思うものです。
しかし、感情のコントロールが出来なくなった時、私の口からはどんな話が飛び出すのだろう。
理性では止められない、及ばない世界なのです。
今、嫌なことを我慢して言わないようにしても、心の奥底では澱のように溜まっているのでしょう。
爆発するときを待っているだけなのかもと思います。