パンドラ

私は去年、パンドラの箱を開けたような気分でした。

好奇心に駆られ、うかつに開けた箱の中から、ありとあらゆる災厄が出てきたのを感じたのです。

後に残ったものは「希望」だけでした。

それだけでいうととても前向きに聞こえてきますが、希望も残酷なものだと思います。

私の解釈では、おそらく「希望」も災厄の一部ではなかったのではないかと。

「希望を持て」と他人に言われるのは残酷です。

無責任に「頑張れ」と言われるように、ありとあらゆる災厄を世に放ったパンドラにとって、「希望」は何の意味があったのか。

そんなふうに考えてしまいます。