父の看取りについて②
車で一人運転して、町の温泉に行くことをギリギリまでやめませんでした。
運転能力は明らかに落ち、軽い認知症の様子も見受けられるのに、暗い夜道を20分以上かけ毎日通い、浴室で倒れ救急搬送もされたというのに。
家族にはわからない父のこだわりだったのです。
行かないと気が治まらないくらい強い依存性をもつものでした。
母が同行するのもいやがり、家族のなすすべはありません。
私たちは、父が他の人に危害を加えなければよしとする、と思うほかありませんでした。
亡くなる1か月前でも、一人で入っていたのです。
父の楽しみを奪わずに、事故がなく済んだことを奇跡と感じます。